医療事故の資料集

 

最終更新日 2011/12/15

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医療紛争に関するデータ集 歯科医師への意識調査  


★ 090918: 電気メスの電流で引火に注意
日本医療機能評価機構のまとめた医療安全情報[No.34]によると、2006年1月〜7月の間に「電気メスの電流が使用している薬剤に引火して患者が火傷を負う医療事故」が4件確認されているとのことである。電気メスで引火した薬剤は、「エトオキシエチルメタアクリル樹脂配合剤」や「グルコン酸クロルヘキシジン」などのようだ。
# 事例1: 医師が手術創に「エトオキシエチルメタアクリル樹脂配合剤」をスプレーして皮膚切開に電気メスを使用したら、皮膚の「エトオキシエチルメタアクリル樹脂配合剤」に引火し患者が火傷した。 > 医師は「エトオキシエチルメタアクリル樹脂配合剤」に引火性が有ることを忘れていた。
# 事例2: 医師が「グルコン酸クロルヘキシジン・エタノール含有」で術野を消毒したが、その際消毒液がシーツに浸透した。その後、電気メスを使用したらシーツに引火して患者の右頬部にU度とV度の火傷を負った。 > 医師は消毒薬が蒸発して乾燥していることを確認せずに電気メスを使用した。
歯科でもおこりえるケースですので充分な注意が必要です。ちなみに歯科における火傷の事件で訴訟になった例としては、咬合採得の際に使用した即重レジンの硬化熱による熱傷事件「即時重合レジンによる火傷に関する損害賠償(岡山地裁平成15年1月14日)」があります。

医療紛争に関するデータ集

★ 医療訴訟件数(2009年)
・ 新規提訴医療訴訟件数は733件(前年比-144)。2004年の1,110件をピークに減少傾向。
・ 既済件数は952件(前年比-34)。2006年の1,139件をピークに減少傾向。
・ 平均審理期間は25.2カ月(前年比+1.2カ月)。2000年の35.6カ月をピークに減少しているが2007年の23.6カ月が底。
・ 既済の割合: 和解(49.7%)、判決(38.4%)、取り下げ(4.0%)、請求の放棄(0.2%)
・ 判決の容認率(一部容認もも含む): 25.3%
・ 既済の診療科別: 内科(229)、外科(165)、整形外科(105)、産婦人科(84)、精神科(33)、眼科(23)、小児科(22)、泌尿器科(22)、耳鼻咽喉科(19)、形成外科(19)、皮膚科(10)、麻酔科(4)、その他(116)。歯科は71。 
● 最高裁統計: 2004年の全国の医療過誤訴訟は1,110件。
● 最高裁統計: 2006年の診療科目別件数で、内科:256、外科:188、産婦人科:161〜歯科:74件。
● 裁判所(第一審)に提起される事件数 ⇒ 年間12万件程度 その中で医事関係のは約400件(90年)
● 労働災害の提起件数と実件数の関係に使用するハインリッヒ係数によると、裁判に至らない深刻な医療紛争件数は、約30倍の12000件程度と推定される。又通常の医療紛争は300倍の約12万件と推定される。
 これを約26万人の医師・歯科医師数で割ると、1名あたり0.5件となる。これに対して、アメリカでは約15件/年。
 これが医療紛争を経験する可能性のデータである。
● 医療紛争の処理方法 ⇒ 判決・和解(裁判)、和解(示談)
● 医療紛争の発生比率 ⇒ 外科系30%、内科系30%、産婦人科系30%、その他10%
● 医療紛争の分類 ⇒ 診断20%、治療35%、手術20%、投薬4%、注射・輸血9%、麻酔5%、その他
● 原告勝訴率 ⇒ 30%程度
● 医療事故の原因 ⇒ 最近の傾向として、医療従事者の単純ミス型から、不可抗力又は医療技術限界型にシフトしその結果原告勝訴率は低下傾向にある。そのため原告の争点は、医師の技術過誤違反から、最近では説明義務違反にシフトしている。

●  1999.11.1  98年の新規訴訟件数は629件に 最高裁が医療過誤裁判について集計
 日経ヘルスケア・ダイアリーから。最高裁判所が10月6日にまとめた医療過誤訴訟に関するデータによると、98年に新規に受け付けた訴訟は629件(対前年比5.7%増)と、過去10年間で最も多かった。
 結審もしくは和解が成立した訴訟も476件(同7.9%増)と増えているが、新規受け付け件数自体が増加しているため、訴訟継続中のものも前年より153件増えて2700件に達した。新たに受け付けた訴訟を診療科目別にみると、最も多いのは内科と外科(142件)で、産婦人科(90件)、整形・形成外科(77件)、歯科(50件)と続く。なお、平均審理期間は33.5カ月(対前年比1.6カ月減)で、毎年短縮する傾向にある。

歯科医師への意識調査

● 1989〜90年にかけて医事法民事法研究会が近畿・中部地方に関して行った歯科医師の意識調査より
● 調査対象 歯科医師 732名(内女性15名)
● 年齢構成比 20歳代18%、30歳代35%、40歳代30%、50歳代17%
● 区分(1) 開業医68%、勤務医32%
● 区分(2) 一般歯科78%、小児歯科0.8%、矯正0.6%、口腔外科14%、その他6.6%
● 区分(3) 臨床歴 8年未満37%、8年以上63%

(1) 問診について
問診無し2.5%、問診用紙64%、カルテ記載30%、その他3.5%
 問診しない割合は50歳代で多い。問診で聞いている内容として多いものは、「アレルギー・心疾患・血圧・糖尿病・妊娠など」、それに対して「家族歴や結核」の問診率は20%程度と低い。

(2) 初診時のスクリーニングとして行っているもの
やらない54%、血圧測定19%、皮内テスト2%、血圧測定と皮内テスト16%、その他9%
 開業医ではやる比率が少なく、勤務医に多い。

(3) 初診時の平均問診時間
1分以内13%、2・3分43%、4・5分24%、5分以上20%
 開業医は2・3分、勤務医は5分以上が多い。

(4) 問診に対する期待度
十分6%、現状では無理16%、患者の協力次第35%、不十分41%、その他2%
 開業医が時間をかけてじっくり問診するのは現状では無理だという傾向。

(5) 患者に対する説明義務はどの程度行っているか
医師が必要と認めた程度17%、患者が判断するに必要な十分な情報64%、患者が納得するまで15%、その他4%
 医師の裁量権を強調して説明の程度を考える傾向は高年代の医師にに多い。

(6) 医師賠償保険への加入
加入69%、加入の意志有り21%、意志無し10%
 加入していない割合は20歳代に多く、加入の意志はないと言う割合は50歳代に多い。
 勤務医は病院で加入していてるので加入していないと言う傾向。


(7) 診断書の持つ社会的・法的重要性について
明確な効果を持つ44%、種類・内容次第46%、重要でない7%、その他3%

(8) 診断書の記載内容が、故意では無いが結果的に誤りであった場合、診断書を書いた医師の法的・社会的責任
常に責任に問われる28%、重大な過失の時32%、責任を問われない6%、その他34%
 診断書に誤りがあれば誤診の責任を問われる事があるのは言うまでもない。

(9) 歯科医師法・医療法を読んだことがあるか
ある44%、無い43%、関心無い11%、その他2%
 読んだことの無い人は若い年代に多い。

(10) 医事法制の講義を受けたことがあるか
ある45%、無い53%、その他2%
 若い年代にあるという回答が多い。

(11) 医事紛争を経験したことがあるか
無し67%
患者とのトラブルはあったが、自然消滅19%
示談解決8%
調停委員会委託2.5%
裁判所調停0%
訴訟0.6%
その他2.9%
 経験者は開業医と勤務医ではやや開業医が多い。

(12) 医事紛争が増えている現状をどう思うか
困った風潮だと思う31%
やむを得ないと思う21%
謙虚に受け止めるべきと思う45%
その他3%
 開業医は困ったものだと思い、勤務医は謙虚に受け止める傾向にある。
 又高年齢者は困ったものだと思い、若年者は謙虚に受け止める傾向にある。


(13) 医療裁判は医療の改善に役立つか
マイナスにしかならない8%
裁判の内容にもよるので一概には言えない61%
改善に役立つ面があると思う23%
医療紛争を訴訟で争うことに矛盾を感じる5%
その他3%

(14) 患者が自分のカルテを閲覧しコピーしたいと要求したらどうするか
求めに応じる5%
理由次第48%
応じない44%
その他3%

(15) 説明義務が強調されているにも拘わらず、保険診療上、精神的な面が評価されていませんがどう考えるか
点数化すべき61%
仕方ない32%
不必要2%
その他5%