平成20年4月の点数改正の詳細3

 

最終更新日 2009/07/23 DscyOffice Top
当サイトの御利用上の注意 点数改正の概要
       

■ 手 術

★ 第2章第9部 手術
(通則の見直し)
 7  区分番号J016、J018、J021の2、J031、J032、J035、J039の2及び3、J042、J057並びにJ060に掲げる手術については、頸部郭清術と併せて行った場合は、所定点数に片側の場合は4,000点を、両側の場合は6,000点を加算する。
 10 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症患者(感染症法の規定に基づき都道府県知事に対して医師の届出が義務づけられるものに限る。)、B型肝炎感染患者(HBs又はHBe抗原陽性の者に限る。)若しくはC型肝炎感染患者又は結核患者に対して、医科点数表の区分番号L008に掲げるマスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔、医科点数表の区分番号L002に掲げる硬膜外麻酔又は医科点数表の区分番号L004に掲げる脊椎麻酔を伴う手術を行った場合は、所定点数に1,000点を加算する。

通則
1 「通則1」、「通則2」及び「通則3」は、手術料算定の内容には次の3通りあることを示しており、輸血料については、手術料の算定がなくとも単独で算定できる。
(1) 手術料(+薬剤料又は特定保険医療材料料等)
(2) 手術料+輸血料(+薬剤料又は特定保険医療材料料等)
(3) 輸血料(+薬剤料又は特定保険医療材料料等)
2 手術料の所定点数とは手術料の項に掲げられた点数及び注加算の合計点数をいい、通則の加算点数は含まない。
3 通則の加算方法は手術料の所定点数に通則中の各加算を足し合わせたものの合計で算定する。
4 手術当日に行われる手術(自己血輸血を除く。)に伴う処置(ギプスを除く。)、検査における診断穿刺・検体採取及び注射の手技料は、特に規定する場合を除き、術前、術後を問わず算定できない。また、内視鏡を用いた手術を行う場合、同時に行う内視鏡検査料は別に算定できない。ここでいう「診断穿刺・検体採取」とは、医科点数表の第3部第4節に掲げる診断穿刺・検体採取料に係るものである。
5 手術に当たって通常使用される保険医療材料(包帯、縫合糸(特殊縫合糸を含む。)等)、衛生材料(ガーゼ、脱脂綿及び絆創膏)、外皮用殺菌剤、患者の衣類の費用及び1回の手術に使用される総量価格が15円以下の薬剤の費用は手術の所定点数に含まれる。
ただし、厚生労働大臣が別に定める特定保険医療材料及び1回の手術に使用される特定薬剤の総量価格が40円を超える場合(特定薬剤にあっては、120点以上の手術又は特に規定する手術に使用した場合を除く。)は、当該手術の所定点数の他に当該特定保険医療材料及び特定薬剤の費用を算定できる。
6 「通則5」による5歳未満の乳幼児又は著しく歯科診療が困難な障害者に対する加算及び「通則6」による極低出生体重児、新生児又は3歳未満の乳幼児に対する加算は、第1節の手術料の所定点数のみに対する加算である。
7 「通則5」における著しく歯科診療が困難な障害者の100分の50加算は、治療を直接行う歯科医師に加え、患者の障害に起因した行動障害に対し開口の保持又は体位、姿勢の保持を行うことを目的として、当該治療に歯科医師、歯科衛生士、看護師等が参画した場合等に算定する。
8 「通則5」における加算において5歳未満の乳幼児が著しく歯科診療が困難な障害者である場合の100分の50加算は、乳幼児加算のみを算定する。
9 「通則5」、「通則6」及び「通則9」の適用範囲は、第1節の手術料に定める手術のみであって、輸血料、手術医療機器等加算、薬剤料、特定薬剤料及び特定保険医療材料料に対しては適用されない。
10 この部における「主たる手術」とは、所定点数及び注による加算点数を合算した点数の高い手術をいう。
11 「通則8」の加算はHIV−1抗体価精密測定、HIV−2抗体価精密測定によってHIV抗体が陽性と認められた患者又はHIV−1核酸同定検査によってHIV−1核酸が確認された患者に対して観血的手術を行った場合に1回に限り算定する。ただし、同一日に複数の手術を行った場合は、主たる手術についてのみ加算する。
12 「通則9」の入院中の患者以外に対する手術の休日加算、時間外加算又は深夜加算は、医科点数表の例により算定する。
13 「通則9」の入院中の患者に対する手術の休日加算又は深夜加算は、医科点数表の例により算定する。
14 「通則9」の休日加算、時間外加算又は深夜加算の対象となる時間の取扱いは初診料と同様である。また、「通則9」の加算に係る適用の範囲及び「所定点数」については、「通則5」の加算の取扱いと同様である。
15 緊急のため保険医療機関の表示する診療時間以外の時間に手術を行った場合の時間外加算又は深夜加算は、既に1日の診療の後片付け等が終わった後で、特に手術する必要がある急患のため再度準備を開始する等相当の不測の労力に対する費用として時間外加算等を行う趣旨であ
るから、時間外であっても予定された手術を行った場合においては時間外等の加算は認められない。
16 「通則9」にいう「所定点数が150点」とは、各区分に規定してある所定点数が150点という趣旨である。ただし、その処置・手術が全体として一体と考えられる手術を行った場合には、個々の所定点数が150点に達しなくとも、それらの合算点数が150点以上のときは加算が認められる。
17 歯科領域における緊急疾病の場合(時間外)、例えば外傷時における手術で2本以上の歯を抜歯する場合であって、全体として一体と考えられる手術を行う場合においては、それぞれの抜歯の所定点数が150点に達しなくても、各抜歯の所定点数の合算点数が150点以上のときは、「通則9」の加算が認められる。
18 手術を開始した後、患者の病状の急変等やむを得ない事情により手術を中途で中絶せざるを得なかった場合においては、当該中絶までに施行した実態に最も近似する手術項目の所定点数により算定する。
19 「通則10」の加算は、次のいずれかに該当する患者に対して全身麻酔、硬膜外麻酔又は脊椎麻酔を伴う観血的手術を行った場合に1回に限り算定する。ただし、同一日に複数の手術を行った場合は、主たる手術についてのみ加算する。
イ 感染症法に基づく医師から都道府県知事等への届出のための基準により医師により届け出が義務付けられているメチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症の患者(診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、病原体診断がなされたもの。)
ロ HBs又はHBe抗原精密測定によって抗原が陽性と認められたB型肝炎患者
ハ HCV抗体価精密測定又はHCV抗体価検査によってHCV抗体が陽性と認められたC型肝炎患者
ニ 微生物学的検査により結核菌を排菌していることが術前に確認された結核患者
20 「通則12」でいう「特に規定する場合」とは、各区分における手術名の末尾に両側と記入したものを指す。なお、この場合において、両側にわたり手術を行う医療上の必要性がなく片側の手術のみを行った場合であっても、両側に係る所定点数を算定できる。
21 歯科訪問診療は常時寝たきりの状態等であって通院困難な療養中の患者について実施されるものであるが、消炎鎮痛、有床義歯の調整等の訪問診療で求められる診療の重要性を考慮し、当該患者に行った抜髄、感染根管処置、抜歯手術(乳歯、前歯及び臼歯に限る。)、口腔内消炎手術(歯肉膿瘍等に限る。)、有床義歯修理について所定点数に所定点数の100分の50を加算する。
22 「通則13」の同一手術野又は同一病巣の算定は、医科点数表の例により算定する。ただし、区分番号J000に掲げる抜歯手術から区分番号J004−3に掲げる歯の移植手術を単独で行う場合については、個々の区分により規定する算定単位に応じて算定を行うものとする。
23 同一手術野又は同一病巣に対して複数の手術を行った場合は、主たる手術の所定点数により算定し、従たる手術においては診療録に手術の名称、手術の内容、部位等を記載すること。
24 第9部に規定する以外の項目については、医科点数表の第2章第10部に掲げる手術の例により算定する。

J000 抜歯手術(1歯につき)
1 乳歯 130点
4 難抜歯 470点
5 埋伏歯 1,050点
(注の新設)
注1 4については、歯根肥大、骨の癒着歯等に対する骨の開さく又は歯根分離術を行った場合に限り算定する。
 2 5については、完全埋伏歯(骨性)及び水平智歯に限り算定する。
 3 5については、下顎完全埋伏智歯(骨性)又は下顎水平埋伏智歯の場合は、所定点数に100点を加算する。

(1) 抜歯の費用は、歯又は残根の全部を抜去した場合に算定する。
(2) 歯の破折片の除去に要する費用は、区分番号J073に掲げる口腔内軟組織異物(人工物)除去「1 簡単なもの」の所定点数により算定する。この場合、浸潤麻酔のもとに破折片を除去した場合には、区分番号K001に掲げる浸潤麻酔料及び使用麻酔薬剤料のそれぞれを算定する。
(3) 抜歯と同時に歯肉を剥離して歯槽骨整形手術等を行った場合の費用は、当該抜歯手術の所定点数に含まれ別に算定できない。
(4) 歯周疾患を原因とせず髄床底の根管側枝を介する感染等を原因とする歯根分岐部の病変に対して、歯根分割を行い分岐部病変の掻爬を行って歯の保存を図った場合は、1歯につき「3 臼歯」により算定する。
(5) 「4 難抜歯」とは、歯根肥大、骨の癒着歯等に対して骨の開さく又は歯根分離術等を行った場合をいう。高血圧等の全身状態との関連から、単に抜歯にあたり注意を要する抜歯については、「4 難抜歯」に含まない。
(6) 難抜歯において、完全抜歯が困難となりやむを得ず抜歯を中止した場合における費用は、難抜歯の所定点数により算定する。
(7) 当該保険医療機関において行った治療に基づかない上顎洞へ陥入した歯の除去に要する費用は、抜歯窩より行う場合は、「4 難抜歯」の所定点数により算定する。また、犬歯窩を開さくして除去する場合は、区分番号J086に掲げる上顎洞開窓術の所定点数により算定する。なお、当該保険医療機関において行った治療に基づき上顎等へ陥入した歯の除去に要する費用は、当該抜歯手術の所定点数に含まれ別に算定できない。
(8) 「5 埋伏歯」とは、骨性の完全埋伏歯又は歯冠部が3分の2以上の骨性埋伏である水平埋伏智歯をいう。
(9) 埋伏智歯の抜去に際し、第二大臼歯を抜去したのち当該埋伏智歯を抜去し、第二大臼歯を再植する術式は妥当でないので認められない。
(10) 埋伏智歯の隣接歯牙を抜去し、同時に埋伏(水平)智歯を抜去した場合は、抜去すべき隣接歯牙が難抜歯であるときは当該隣接歯牙について、難抜歯の所定点数により算定する。
(11) 当該保険医療機関において行った治療に基づかない口腔底に迷入した下顎智歯の摘出手術に要する費用は区分番号J015に掲げる口腔底腫瘍摘出術の所定点数により算定する。なお、当該保険医療機関において行った治療に基づく場合は当該抜歯手術の所定点数に含まれ別に算定できない。
(12) 抜歯の際、局所麻酔とあわせて使用した抗生物質製剤の注射については、第6部注射の費用の算定方法により算定する。この場合の局所麻酔の費用は、当該抜歯手術の所定点数に含まれ別に算定できない。ただし、抜歯のための術前処置として手術野の消毒・麻酔等を行い、抜歯の態勢に入ったが、脳貧血等の患者の急変によりやむを得ず抜歯を中止した場合は、抜歯手術は算定できないが、麻酔料は別に算定できる。その場合、抜歯を中止したことを診療報酬明細書の摘要欄に記載する。

J001 ヘミセクション(分割抜歯) 470点

(1) 複根歯において必要があって保存し得る歯根を残して分割抜歯を行った場合の費用は、所定点数により算定する。
(2) ヘミセクション(分割抜歯)と同時に歯肉を剥離して、歯槽骨整形手術等を行った場合の費用は、ヘミセクション(分割抜歯)の所定点数に含まれ別に算定できない。

J002 抜歯窩再掻爬手術
抜歯窩に対して再掻爬手術を行った場合は1歯に相当する抜歯窩を単位として所定点数を算定する。

J003 歯根嚢胞摘出術
1 歯冠大のもの 800点
2 拇指頭大のもの 1,350点

(1) 歯根嚢胞摘出手術において歯冠大とは当該歯根・胞の原因歯となった歯の歯冠大をいう。
(2) 歯根嚢胞摘出手術と歯槽骨整形手術を同時に行った場合は、当該歯槽骨整形手術の費用は、歯根嚢胞摘出手術の所定点数に含まれ別に算定できない。

J004 歯根端切除手術(1歯につき) 1,350点

(1) 歯根端切除手術は1歯単位に算定する。また、歯根端切除手術と同時に行った根管充填については別に算定できる。
(2) 歯根端切除手術を行うに際して、歯根端切除部の根管の閉鎖を行った場合の費用は、歯根端切除手術の所定点数に含まれ別に算定できない。
(3) 次の手術は認められない。
イ 乳歯に対する歯根端切除手術
ロ 歯冠修復物のある歯の歯根端切除手術を行った際における、根尖孔にレジン充填を行う術式
ハ 歯根端掻爬手術
(4) 当該保険医療機関において行った治療に基づかない、根管外に突出した異物又は顎骨内に存在する異物等を、骨の開さくを行って除去した場合は、同一の骨の開さくにおいて除去した異物の数にかかわらず、1回につき本区分の所定点数で算定する。なお、歯根端切除手術と同時に行った顎骨内異物除去の費用は、歯根端切除手術の所定点数に含まれ別に算定できない。
(5) 歯内治療では治療ができなかった根尖病巣を有する保存が可能な大臼歯であって、解剖学的な理由から歯根端切除手術が困難な症例に対して、歯の再植による根尖病巣の治療を行った場合は、診療録に部位及び算定の理由を記載し、本区分により算定する。また、診療報酬明細書の摘要欄に部位及び算定の理由を記載すること。なお、歯の移動を目的に含む場合は算定できない。

J004-2 歯の再植術
(1) 外傷性の歯の脱臼に対して歯の再植術を行った場合に算定する。
(2) 再植術と併せて、同時に行った抜髄及び根管充填に係る費用は、区分番号I005に掲げる抜髄及び区分番号I008に掲げる根管充填に掲げる所定点数に限り別に算定できる。
(3) 幼若永久前歯の外傷性歯牙脱臼時に再植術を行い、歯内療法を後日実施した場合には歯内療法に係る費用は別に算定できる。
(4) 診療録に、手術部位及び再植の理由を記載する。

J004-3 歯の移植手術
(1) 保存不適で抜歯した歯の抜歯窩に、同一患者から抜歯と同時に抜去した埋伏歯又は智歯を抜歯と同時に移植した場合に限り算定する。
(2) 歯の移植術と一連で行った抜髄及び根管充填に係る費用は、区分番号I005に掲げる抜髄及び区分番号I008に掲げる根管充填に掲げる所定点数に限り別に算定できる。
(3) 診療録に、手術部位及び移植の理由を記載する。

J005 歯肉息肉除去手術(削除)

J006 歯槽骨整形手術、骨瘤除去手術
(1) 歯槽骨整形手術、骨瘤除去手術の費用は、1歯に相当する範囲を単位として所定点数により算定する。
(2) 感染根管処置を行うに当たり、根管側壁、髄室側壁又は髄床底に穿孔がある場合に、当該穿孔の封鎖を歯肉の剥離を行って実施した場合は、本区分の所定点数及び保険医療材料料を算定する。

J007 顎骨切断端形成術
顎骨腫瘍の摘出等を行い、治癒後に口蓋補綴、顎補綴を行うに当たり顎骨断端の鋭縁等の整形手術を行った場合に算定する。

J008 歯肉、歯槽部腫瘍手術(エプーリスを含む)
「歯肉、歯槽部腫瘍手術」とは、歯肉又は歯槽部に生じた良性腫瘍又は嚢胞(歯根嚢胞を除く。)を摘出する手術をいう。

J009 浮動歯肉切除術
浮動歯肉切除術は、有床義歯を製作するに当たり義歯床の安定を阻害する浮動歯肉(義歯性線維腫(症)を含む。)の切除を行った場合に算定する。

J010 顎堤形成術
(1) 「1 簡単なもの」とは義歯の製作に当たり口腔前庭を拡張することにより顎堤の形成を行ったもの又は口腔前庭形成手術をいう。
(2) 「2 困難なもの(2分の1顎未満)」及び「3 困難なもの(2分の1顎以上)」とは、腫瘍摘出等による顎欠損に対して当該摘出術とは別の日に、骨移植及び人工骨の挿入等により顎堤の形成を行ったものをいう。
(3) (2)について、人工骨の挿入に要する費用については、「2 困難なもの」の所定点数に含まれる。
(4) 口腔外から骨片を採取して骨移植術を行った場合は、区分番号J063−2に掲げる骨移植術(軟骨移植術を含む。)の所定点数を併せて算定する。なお、骨片切採術の手技料は区分番号J063−2に掲げる骨移植術(軟骨移植術を含む。)の所定点数に含まれ、骨移植に用いる骨片をその必要があって2箇所(例えば脛骨と骨盤)から切除した場合であっても当該骨の採取術に係る手技料は算定できない。
(5) 顎堤形成術の所定点数には、手術のために使用する床の製作に要する費用を含むものであるが、義歯を作成して手術のために使用した場合は別に有床義歯の所定点数を算定する。

J011 上顎結節形成術
上顎結節形成術は上顎臼後結節が偏平となっているものに対して、義歯の安定を図るために上顎結節部を形成した場合に算定する。

J012 おとがい神経移動術
おとがい神経移動術は、おとがい孔部まで歯槽骨吸収が及び、義歯装着時に神経圧迫痛があるため、義歯の装着ができないと判断される患者に対し、行った場合に算定する。

J013 口腔内消炎手術
(1) 口腔内消炎手術は炎症病巣に対して口腔内より消炎手術を行うものであり、同一病巣に対する消炎手術を同時に2以上実施しても、主たる手術の所定点数のみにより算定する。
(2) 辺縁性歯周炎の急性発作に対する消炎手術は、「2 歯肉膿瘍等」により算定する。
(3) 顎炎及び顎骨骨髄炎に対して骨の開さく等を行い、消炎を図った場合は、「4 顎炎又は顎骨骨髄炎等」の該当項目により算定する。なお、顎炎とは顎骨内の感染を初発とする広範囲にわたる炎症をいう。
(4) 本区分の算定に当たっては、部位、症状及び術式を診療録に記載すること。なお、切開排膿を行った場合の術式については、切開線の長さを記載する。

J015 口腔底腫瘍摘出術
「口腔底腫瘍摘出術」とは、口腔底に生じた良性腫瘍又は嚢胞を摘出する手術をいう。

J016 口腔底悪性腫瘍手術
(1) 口腔底悪性腫瘍手術その他の悪性腫瘍手術の加算の対象となる頚部郭清術(ネックディセクション)とは、単なる病変部のリンパ節の清掃ではなく、片側又は両側の頚部領域組織の徹底的な清掃を行う場合をいう。
(2) 他の手術に併せて行った頚部リンパ節の単なる郭清の加算は所定点数に含まれ別に算定できない。なお、単独に行った場合は、医科点数表の区分番号K627に掲げるリンパ節群郭清術の「2 頸部(深在性)」により算定する。

J017 舌腫瘍摘出術
「舌腫瘍摘出術」とは、舌に生じた良性腫瘍又は嚢胞を摘出する手術をいう。

J019 口蓋腫瘍摘出術
「口蓋腫瘍摘出術」とは、口蓋に生じた良性腫瘍又は嚢胞(歯根嚢胞を除く)を摘出する手術をいう。

J022 顎・口蓋裂形成手術
顎・口蓋裂形成手術の2次手術において、腸骨海綿骨移植を行った場合は、「3 顎裂を伴うもの」の所定点数に併せて、区分番号J063−2に掲げる骨移植術(軟骨移植術を含む。)の所定点数により算定する。

J024-3 軟口蓋形成手術
いびきに対する軟口蓋形成手術を行った場合に算定する。

J027 頬、口唇、舌小帯形成術
(1) 「頬、口唇、舌小帯形成術」は、次の場合に算定する。
イ 頬、口唇、舌小帯に対する形成手術を行った場合
ロ 頬、口唇、舌小帯に対する切離移動術を行った場合
ハ 小帯等を切除して開窓術を行った場合
ニ ピエール・ロバン症候群の患者に対し、舌の前方牽引を行った場合
(2) (1)に掲げる手術を、複数の小帯に対して行った場合は、主たる手術の所定点数のみにより算定する。

J030 口唇腫瘍摘出術
「口唇腫瘍摘出術」とは、口唇に生じた良性腫瘍又は嚢胞を摘出する手術をいう。

J033 頬腫瘍摘出術
(1) 「頬腫瘍摘出術」とは、頬部に生じた良性腫瘍又は嚢胞を摘出する手術をいう。
(2) 下顎角部又は下顎枝に埋伏している下顎智歯を、口腔外より摘出を行った場合は、本区分により算定する。

J034 頬粘膜腫瘍摘出術
「頬粘膜腫瘍摘出術」とは、頬粘膜に生じた良性腫瘍又は嚢胞を摘出する手術をいう。

J036 術後性上顎・胞摘出術
「2 篩骨蜂巣に及ぶもの」とは、術後性上顎.胞摘出術のうち、手術の範囲が篩骨蜂巣にまで及ぶものをいう。

J037 上顎洞口腔瘻閉鎖術
(1) 「2 困難なもの」とは、陳旧性のもの又は減張切開等を必要とするものをいう。
(2) 上顎洞へ抜歯窩より穿孔がある場合の閉鎖手術については、新鮮創であっても減張切開等を必要とする場合は、上顎洞口腔瘻閉鎖術の「2 困難なもの」の所定点数により算定する。
(3) 「3 著しく困難なもの」とは、腫瘍摘出後等による比較的大きな穿孔に対して、粘膜弁移動術、粘膜移植術等により閉鎖を行うものをいう。なお、口腔粘膜弁の製作・移動術及び口腔粘膜移植術の費用は「3 著しく困難なもの」の所定点数に含まれ別に算定できない。
(4) 「3 著しく困難なもの」について植皮術を併せて行った場合は区分番号J089に掲げる全層、分層植皮術又は区分番号J090に掲げる皮膚移植術の所定点数を合算して算定する。
(5) 「3 著しく困難なもの」について、口腔粘膜弁及び口腔粘膜移植以外の区分番号J091に掲げる皮弁作成術、移動術、切断術、遷延皮弁術から区分番号J097に掲げる粘膜移植術までの手術を併せて行った場合は主たる手術の所定点数に従たる手術の所定点数の100分の50を加算して算定する。
(6) 腫瘍摘出等により上顎洞又は鼻腔に比較的大きな穿孔を生じた場合の閉鎖術は「3著しく困難なもの」により算定する。
(7) 埋伏歯の抜去や顎骨骨内病巣を除去し、後日二次的に創腔の閉鎖を行った場合は、「1 簡単なもの」により算定する。

J041 下顎骨離断術
下顎骨骨折により、顎偏位のままで異常癒着を起し、咬合不全を伴っている場合に異常癒着部を離断し整復を行った場合は、本区分の所定点数により算定する。

J042 下顎骨悪性腫瘍手術
顎骨に生ずるエナメル上皮腫に対する手術は、「1 切除」又は「2 切断」の各区分により算定する。また、単胞性エナメル上皮腫の手術の場合も同様に「1 切除」又は「2切断」の各区分により算定する。

J043 顎骨腫瘍摘出術(歯根嚢胞を除く。)
(1) 「顎骨腫瘍摘出術」とは、顎骨内に生じた良性腫瘍又は嚢胞(歯根嚢胞を除く。)を摘出する手術をいう。
(2) 萌出困難な歯牙に対して開窓術(歯槽骨及び被覆粘膜を切除する手術)を行った場合は、「1 長径3センチメートル未満」により算定する。
(3) 顎骨腫瘍摘出術と同時に行った原因歯の抜歯手術に要する費用は、顎骨腫瘍摘出術の所定点数に含まれ別に算定できない。
(4) 濾胞性歯.胞の摘出とともに原因歯の抜去を行った場合の抜歯手術の費用は、顎骨腫瘍摘出術の所定点数に含まれ別に算定できない。

J044 顎骨.胞開窓術
鶏卵大に達した歯根.胞を摘出する手術を行った場合は、本区分の所定点数により算定する。

J045 口蓋隆起形成術
義歯の装着に際して口蓋隆起が著しい障害となるような症例に対して、口蓋隆起を切除、整形した場合に算定する。

J046 下顎隆起形成術
義歯の装着に際して下顎隆起が著しい障害となるような症例に対して、下顎隆起を切除、整形した場合に算定する。

J047 腐骨除去手術
2歯までの範囲であれば顎骨に及ぶものであっても「1 歯槽部に限局するもの」により算定する。

J048 口腔外消炎手術
(1) 口腔外消炎手術における長さ(2センチメートル未満等)とは、膿瘍、蜂窩織炎等の大きさをいい、切開を加えた長さではない。
(2) 重症な顎炎等に対して複数の切開により、口腔外からの消炎手術を行った場合は、「2のイ3分の1顎以上の範囲のもの」により算定する。
(3) 広範囲で極めて重症な顎炎等に対して、中・下頸部又は鎖骨上窩等を切開し、口腔外から消炎手術を行った場合は、「2のロ全顎にわたるもの」により算定する。

J053 唾石摘出術
(1) 「1 表在性のもの」とは、導管開口部分付近に位置する唾石をいう。
(2) 「2 深在性のもの」とは、腺体付近の導管等に位置する唾石をいう。
(3) 外部より唾石及び唾液腺を併せて摘出したものについては、「2 深在性のもの」により算定する。

J059 耳下腺腫瘍摘出術
「耳下腺腫瘍摘出術」とは、耳下腺に生じた良性腫瘍又は嚢胞を摘出する手術をいう。

J063 歯周外科手術(1歯につき)
1 歯周ポケット掻爬術 75点
2 新付着手術 150点
3 歯肉切除手術 300点
4 歯肉剥離掻爬手術 600点
(項目の新設)
5 歯周組織再生誘導手術
イ 1次手術(吸収性又は非吸収性膜の固定を伴うもの) 630点
ロ 2次手術(非吸収性膜の除去) 300点
(注の見直し)
注1 4については、当該手術と同時に歯槽骨欠損部に骨代用物質を挿入した場合は、所定点数に110点を加算する。
 2 5については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方社会保険事務局長に届け出た保険医療機関において、根分岐部病変又は垂直性の骨欠損を有する歯に対して行った場合に、算定する。
 3 区分番号I011-2に掲げる歯周病安定期治療を開始した日以降に実施する場合は、所定点数(注1の加算を含む。)の100分の30に相当する点数により算定する。
 4 暫間固定及び特定薬剤の費用は、所定点数に含まれるものとする。

(1) 歯周外科手術とは、区分番号D002に掲げる歯周組織検査の「2 歯周精密検査」に規定する歯周精密検査の結果に基づき行われる歯周ポケット掻爬術、新付着手術、歯肉切除手術、歯肉剥離掻爬手術及び歯周組織再生誘導手術をいう。なお、歯周外科手術の実施にあたっては、「歯周病の診断と治療に関する指針」(平成19年11月日本歯科医学会)を参考とすること。
(2) 歯周外科手術と同時に行われる区分番号I011に掲げる歯周基本治療の費用は、所定点数に含まれ別に算定できない。
(3) 歯周ポケット掻爬術、歯肉剥離掻爬術及び歯周組織再生誘導手術においては、縫合又はパックの費用はそれぞれの所定点数に含まれる。
(4) 「注2」の「簡単な暫間固定」とは、固定源となる歯を歯数に含めない4歯未満の暫間固定をいう。
(5) 歯周外科手術を伴う場合の固定源となる歯を歯数に含めない4歯以上の暫間固定の費用は、歯周外科手術とは別に区分番号I014に掲げる暫間固定の「2 困難なもの」の所定点数により算定する。
(6) 暫間固定に当たって印象採得を行った場合は1装置につき区分番号M003に掲げる印象採得の「3 副子」を、咬合採得を行った場合は、1装置につき、装置の範囲に相当する歯数が8歯以下の場合は区分番号M006に掲げる咬合採得の「2のロの(1)少数歯欠損」、装置の範囲に相当する歯数が9歯以上は区分番号M006に掲げる咬合採得の「2のロの(2) 多数歯欠損」又は装置の範囲に相当する歯数が全歯にわたる場合は区分番号M006に掲げる咬合採得の「2のロの(3) 総義歯」の所定点数を、装着を行った場合には1装置につき区分番号M005に掲げる装着の「3 副子の装着の場合」の所定点数及び装着材料料を算定できる。ただし、エナメルボンドシステムにより連結固定を行った場合は、装着料及び装着材料料は別に算定できない。
(7) 歯肉剥離掻爬手術と併せて、区分番号J063−2に掲げる骨移植術(軟骨移植術を含む。)を行った場合は、歯肉剥離掻爬手術及び区分番号J063−2に掲げる骨移植術(軟骨移植術を含む。)のそれぞれの所定点数を併せて算定する。
(8) 「5 歯周組織再生誘導手術」については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方社会保険事務局長に届け出た保険医療機関において、区分番号D002に掲げる歯周組織検査の「2 歯周精密検査」に規定する歯周精密検査の結果に基づき、根分岐部病変又は垂直性骨欠損を有する歯に対して、吸収性膜又は非吸収性膜の固定を行った場合に、「イ1次手術」の所定点数により算定する。また、「イ
1次手術」において、非吸収性膜を使用した場合であって、一定期間の経過観察後、非吸収性膜を除去した場合においては、「ロ2次手術」の所定点数により算定する。
なお、歯周組織再生材料は、別に算定する。
(9) 「5 歯周組織再生誘導手術」は、エックス線撮影等により得られた術前の対象歯の根分岐部病変又は垂直性骨欠損の状態、手術部位、手術内容及びその他療養上特記すべき事項について、診療録に記載した場合に算定する。
(10) 「5 歯周組織再生誘導手術」を算定した場合は、「4 歯肉剥離掻爬手術」は別に算定できない。
(11) 区分番号I011−2に掲げる歯周病安定期治療を開始した日以降に行った場合は、所定点数の100分の30により算定する。

J063-2 骨移植術(軟骨移植術を含む)
(1) 「1のイ簡単なもの」とは、当該患者の口腔内から採取した骨片等の移植を行った場合をいう。
(2) 「1のロ困難なもの」とは、当該患者の口腔外から採取した骨片等の移植を行った場合をいう。
(3) 「2 同種骨移植」とは、同種骨移植をいい、特定保険医療材料である人工骨等を用いた場合は算定できない。
(4) 骨移植術を行った場合は、他の手術の所定点数に骨移植術の所定点数を併せて算定できる。なお、骨移植術の所定点数には、骨片切採術の手技料は含まれ、骨移植術において骨移植に用いる骨片をその必要があって2箇所(例えば脛骨と骨盤)から切除した場合であっても当該採取にかかる手技料は別に算定できない。
(5) 移植術は、採取した骨片を複数箇所に移植した場合も、1回の算定とする。
(6) 「1 自家骨移植」の「ロ困難なもの」において、骨片採取のみに終わり骨移植に至らない場合については、本区分を算定せず、区分番号J063−3に掲げる骨(軟骨)組織採取術を算定する。
(7) 自家骨軟骨移植術を行った場合は、本区分の「1のロ困難なもの」により算定する。
(8) 同種骨移植を行うにあたっては、日本整形外科学会の作成した「整形外科移植に関するガイドライン」及び「冷凍ボーンバンクマニュアル」等のガイドラインを参考に、適切に行われることが望ましい。

J063-3 骨(軟骨)組織採取術
区分番号J063−2に掲げる骨移植術の「1のロ困難なもの」の実施にあたり、骨片採取のみに終わり骨移植に至らなかった場合に限り算定する。

J064 歯肉歯槽粘膜形成手術
(1) 「歯肉歯槽粘膜形成手術」とは、歯周疾患の治療において、必要があって各号に掲げる手術を行った場合に算定する。なお、「1 歯肉弁根尖側移動術」から「3 歯肉弁側方移動術」までは1歯単位で算定し、「4 遊離歯肉移植術」及び「5 口腔前庭拡張術」は手術単位で算定するものとする。
(2) 「1 歯肉弁根尖側移動術」とは、付着歯肉の幅が狭い場合、又は歯周病で深いポケットが存在し、歯肉歯槽粘膜境を超えているような場合に付着歯肉の幅の増加及び歯周ポケットの除去を目的として行った場合に算定する。
(3) 「2 歯肉弁歯冠側移動術」とは、歯冠側へ歯肉弁を移動させ露出した歯根面の被覆を目的として行った場合に限り算定する。
(4) 「3 歯肉弁側方移動術」とは、歯肉退縮によって歯根面の露出している孤立した少数歯の露出部位に隣接歯の辺縁歯肉から側方に歯肉弁を移動させ露出した歯根面を修復することを目的として行った場合に算定する。
(5) 「4 遊離歯肉移植術」とは、歯肉の供給側より採取した移植片の歯肉を、付着させる移植側へ移植を行うものであり、転位歯等を抜去した際、隣在歯の歯根面が露出し、知覚過敏等の障害のおそれがあるときに手術を行った場合に算定する。ただし、粘膜面への移植は容易であるが、セメント質が露出している歯根面に対しての移植は困難である。
(6) 「5 口腔前庭拡張術」とは、頬舌側の口腔前庭が浅いために、十分なプラークコントロールが行えない場合又は歯冠修復物を装着するに際して付着歯肉の幅が著しく狭い場合において口腔前庭の拡張を行った場合に限り算定する。
(7) 「5 口腔前庭拡張術」と同時に行った小帯(頬、口唇、舌小帯等)の切離移動又は形成の費用は、口腔前庭拡張術の所定点数に含まれ別に算定できない。
(8) 実施にあたっては、診療録に当該手術に関する要点(目的、症状、手術部位、手術術式等)を記載すること。

J066 歯槽骨骨折観血的整復術
歯槽骨骨折に対し、歯肉粘膜を・離して観血的に歯槽骨の整復を行った場合に算定する。

J069 上顎骨形成術
(1) 「単純な場合」とは上顎骨発育不全症、外傷後の上顎骨後位癒着等に対し、Le FortT型切離により移動を図る場合をいう。
(2) 「複雑な場合及び2次的再建の場合」とは同様の症例に対し、Le Fort U型又はLe Fort V型切離により移動する場合及び悪性腫瘍手術等による上顎欠損症に対し2次的骨性再建を行う場合をいう。

J070 頬骨骨折観血的整復術
「頬骨骨折観血的整復術」とは、頬骨又は頬骨弓の骨折を観血的に整復する手術をいう。

J071 下顎骨折非観血的整復術
下顎骨折非観血的整復術の「注」の加算は三内式線副子以上を使用する連続歯牙結紮法を行った場合に算定し、これに至らない場合は、所定点数中に含まれ別に算定できない。

J073 口腔内軟組織異物(人工物)除去術
(1)「簡単なもの」とは異物(人工物)が比較的浅い組織内にあり、非観血的あるいは簡単な切開で除去できるものをいう。なお、歯の破折片の除去にかかる費用は、「1 簡単なもの」の所定点数により算定する。
(2) 「困難なもの」とは除去に当たって組織の剥離を必要とするものをいう。
(3) 「著しく困難なもの」とは異物の位置が確定できず、なおかつ深部に存在するため大きく深い切開等を必要とするものをいう。
(4) 口腔内軟組織異物(人工物)除去術は、異物の数にかかわらず所定点数を1回に限り算定する。ただし、当該除去物は同一術野で除去できるものに限る。
(5) 「1 簡単なもの」、「2 困難なもの」及び「3 著しく困難なもの」のうち、2以上を同時に行った場合は、主たる手術の所定点数のみにより算定する。
(6) 口腔組織にささっている魚骨を除去した場合の費用は、基本診療料に含まれ別に算定できない。

J074 顎骨内異物(挿入物)除去術
(1) 「1 簡単なもの」は、顎骨骨折における観血的整復、上顎骨形成術又は下顎骨形成術における顎骨の固定等に用いた金属線又はスクリューの除去を行った場合に算定する。
(2) 「2 困難なもの」は、顎骨骨折における観血的整復、上顎骨形成術又は下顎骨形成術における顎骨の固定等に用いた骨体固定金属板の撤去を行った場合に算定する。

J075 下顎骨形成術
下顎前突のとき下顎両側第一小臼歯を抜歯し、この部位で下顎骨を切断して後退させる下顎前突症手術は、「1 おとがい形成の場合」により算定する。

J076 顔面多発骨折観血的手術
顔面多発骨折観血的手術は上下顎が同時に骨折した場合等、複数の骨に対して観血的手術を行った場合に算定する。

J077 顎関節脱臼非観血的整復術
顎関節脱臼非観血的整復術は、片側につき、所定点数を算定する。

J080 顎関節授動術
(1) 「徒手的授動術」とは顎関節の運動障害を有する患者に対して、パンピング(顎関節腔に対する薬液の注入、洗浄)を行いながら、徒手的に顎関節の授動を図ったものをいう。
なお、この場合において関節腔に対する薬剤の注入を行った場合は、区分番号G007に掲げる関節腔内注射又は区分番号G008に掲げる滑液.穿刺後の注入を併せて算定する。
(2) 瘢痕性顎関節強直症に対する手術の費用は「3 開放授動術」により算定する。
(3) 筋突起過長による顎運動障害等で、筋突起形成術を行った場合の費用は「3 開放授動術」により算定する。

J082 歯科インプラント摘出術
他の医療機関で埋植した歯科インプラントを撤去した場合に、当該摘出物の種別に応じて算定する。

J083 顎骨インプラント摘出術
(1) 「顎骨インプラント」とは腫瘍摘出後等による顎骨欠損に対して埋植した人工骨及び人工骨頭等の欠損補綴用人工材料(体内)をいう。
(2) 埋植した顎骨インプラントを感染による化膿や破折等の理由で、やむを得ず摘出した場合に行った顎骨インプラント摘出術は算定できる。ただし、当該医療機関において行われた治療に基づく異物(骨折手術に用いられた金属内副子等を除く。)について除去を行っても区分番号J073に掲げる口腔内軟組織異物(人工物)除去術、区分番号J074に掲げる顎骨内異物(挿入物)除去術及び区分番号J082に掲げる歯科インプラント摘出術においては、所定点数は算定できない。

J084 創傷処理
(1) 創傷処理とは、切・刺・割創又は挫創に対して切除、結紮又は縫合を行う場合の第1回治療のことである。
(2) 創傷が数箇所あり、これを個々に縫合する場合は、近接した創傷についてはそれらの長さを合計して1つの創傷として取り扱い、他の手術の場合に比し著しい不均衡を生じないようにすること。
(3) 「注2」の「露出部」とは、顔面、頸部、上肢にあっては肘関節以下及び下肢にあっては膝関節以下(足底部を除く。)をいう。
(4) 「注3」のデブリードマンの加算は、汚染された挫創に対して行われるブラッシング又は汚染組織の切除等であって、通常麻酔下で行われる程度のものを行ったときに限り算定できる。
(5) 当該手術を同一術野又は同一病巣につき、他の手術と同時に行った場合は、主たる手術の所定点数のみにより算定する。ただし、骨移植術及び植皮術を当該手術と同時に行った場合はこの限りではない。
(6) 抜歯又は智歯歯肉弁切除等の術後、後出血を起こし簡単に止血(圧迫等により止血)できない場合における後出血処置の費用は「4 筋肉、臓器に達しないもの(長径5センチメートル未満)」により算定する。
(7) 口腔内における縫合術及び口腔外における縫合術(顔面創傷等の場合)の費用については、大きさ及び深さに応じ、各号の所定点数により算定する。

J084-2 小児創傷処理(6歳未満)
(1) 創傷処理とは、切・刺・割創又は挫創に対して切除、結紮又は縫合を行う場合の第1回治療のことである。
(2) 創傷が数箇所あり、これを個々に縫合する場合は、近接した創傷についてはそれらの長さを合計して1つの創傷として取り扱い、他の手術の場合に比し著しい不均衡を生じないようにすること。
(3) 「注2」の「露出部」とは、顔面、頸部、上肢にあっては肘関節以下及び下肢にあっては膝関節以下(足底部を除く。)をいう。
(4) 「注3」のデブリードマンの加算は、汚染された挫創に対して行われるブラッシング又は汚染組織の切除等であって、通常麻酔下で行われる程度のものを行ったときに限り算定できる。
(5) 当該手術を同一術野又は同一病巣につき、他の手術と同時に行った場合は、主たる手術の所定点数のみにより算定する。ただし、骨移植術及び植皮術を当該手術と同時に行った場合はこの限りではない。
(6) 抜歯又は智歯歯肉弁切除等の術後、後出血を起こし簡単に止血(圧迫等により止血)できない場合における後出血処置の費用は「6 筋肉、臓器に達しないもの(長径2.5センチメートル以上5センチメートル未満)」により算定する。
(7) 口腔内における縫合術及び口腔外における縫合術(顔面創傷等の場合)の費用については、大きさ及び深さに応じ、各号の所定点数により算定する。

J085 デブリードマン
(1) 区分番号J089に掲げる全層、分層植皮術から区分番号J097に掲げる粘膜移植術までの手術を前提に行う場合にのみ算定する。
(2) 汚染された挫創に対して行われるブラッシング又は汚染組織の切除等であって、通常麻酔下で行われる程度のものを行ったときに算定する。また、繰り返し算定する場合は、植皮等の範囲(全身に占める割合)を診療報酬明細書の摘要欄に記入する。
(3) 当該手術を同一術野又は同一病巣につき、他の手術と同時に行った場合は、主たる手術の所定点数のみにより算定する。ただし、骨移植術及び植皮術を当該手術と同時に行った場合はこの限りではない。

J086 上顎洞開窓術
当該手術を同一術野又は同一病巣につき、他の手術と同時に行った場合は、主たる手術の所定点数のみにより算定する。ただし、骨移植術及び植皮術を当該手術と同時に行った場合はこの限りではない。

J087 上顎洞根本手術
当該手術を同一術野又は同一病巣につき、他の手術と同時に行った場合は、主たる手術の所定点数のみにより算定する。ただし、骨移植術及び植皮術を当該手術と同時に行った場合はこの限りではない。

J088 リンパ節摘出術
当該手術を同一術野又は同一病巣につき、他の手術と同時に行った場合は、主たる手術の所定点数のみにより算定する。ただし、骨移植術及び植皮術を当該手術と同時に行った場合はこの限りではない。


J089 分層植皮術及びJ089-2 全層植皮術
デルマトームを使用した場合の費用は所定点数に含まれ別に算定できない。

J090 皮膚移植術
(1) 皮膚提供者の皮膚採取料及び組織適合性試験の費用は、所定点数に含まれ別に算定できない。
(2) 生体皮膚を移植する場合においては、皮膚提供者から移植用皮膚を採取することに要する費用(皮膚提供者の皮膚採取料及び組織適合性試験の費用は除く。)については、各所定点数により算出し、皮膚移植術の所定点数に加算する。
(3) 皮膚移植を行った保険医療機関と皮膚移植に用いる移植用皮膚を採取した保険医療機関が異なる場合の診療報酬の請求については、皮膚移植を行った保険医療機関で行うものとし、当該診療報酬の分配は相互の合議に委ねる。なお、請求に当たっては、皮膚移植者の診療報酬明細書の摘要欄に皮膚提供者の氏名及び療養上の費用に係る合計点数を併せて記載するとともに、皮膚提供者の療養に係る所定点数を記載した診療報酬明細書を添付すること。
(4) 死体皮膚を移植する場合においては、死体から死体皮膚を採取・保存するために要する全ての費用は、所定点数に含まれ別に請求できない。

J093 遊離皮弁術(顕微鏡下血管柄付きのもの)
区分番号J093に掲げる遊離皮弁術(顕微鏡下血管柄付きのもの)を行うにあたり、微小血管自動縫合器を使用した場合、医科点数表の区分番号K936−3に掲げる微小血管自動縫合器加算の例により算定する。

J096 自家遊離複合組織移植術(顕微鏡下血管柄付きのもの)
区分番号J096に掲げる自家遊離複合組織移植術(顕微鏡下血管柄付きのもの)を行うにあたり、微小血管自動縫合器を使用した場合、医科点数表の区分番号K936−3に掲げる微小血管自動縫合器加算の例により算定する。

J098 血管結紮術
当該手術を同一術野又は同一病巣につき、他の手術と同時に行った場合は、主たる手術の所定点数のみにより算定する。ただし、骨移植術及び植皮術を当該手術と同時に行った場合はこの限りではない。

J099 動脈形成術、吻合術
当該手術を同一術野又は同一病巣につき、他の手術と同時に行った場合は、主たる手術の所定点数のみにより算定する。ただし、骨移植術及び植皮術を当該手術と同時に行った場合はこの限りではない。
J099−2 抗悪性腫瘍剤動脈内、静脈又は腹腔持続注入用埋込型カテーテル設置医科点数表の区分番号K611に掲げる抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用埋込型カテーテル設置の例により算定する。

J100 血管移植術、バイパス移植術
当該手術を同一術野又は同一病巣につき、他の手術と同時に行った場合は、主たる手術の所定点数のみにより算定する。ただし、骨移植術及び植皮術を当該手術と同時に行った場合はこの限りではない。

J100-2 中心静脈栄養用埋込型カテーテル設置
医科点数表の区分番号K618に掲げる中心静脈栄養用埋込型カテーテル設置の例により算定する。

J101 神経移植術
当該手術を同一術野又は同一病巣につき、他の手術と同時に行った場合は、主たる手術の所定点数のみにより算定する。ただし、骨移植術及び植皮術を当該手術と同時に行った場合はこの限りではない。

J102 交感神経節切除術
(1) 疼痛等に対して、眼窩下孔部又はおとがい孔部で末梢神経遮断(挫滅又は切断)術を行った場合に算定する。
(2) おとがい孔部における末梢神経遮断(挫滅又は切断)術と同時に行ったおとがい孔閉鎖に係る費用は、所定点数に含まれ別に算定できない。

J104 皮膚腫瘍冷凍凝固摘出術
口腔領域の皮膚(粘膜)腫瘍又は皮下(粘膜下)腫瘍に対して冷凍凝固摘出術を行った場合に算定する。

J105 瘢痕拘縮形成手術
単なる拘縮に止まらず運動制限を伴うような外傷又は腫瘍摘出術等による瘢痕性拘縮の症例に対して、瘢痕拘縮形成手術を行った場合に算定する。

J106 気管切開術
(1) 口腔領域における腫瘍等による気管閉鎖で、気道確保のため救急的に気管切開を行った場合に算定する。ただし、手術に伴う一連の行為として気管切開を同時に行った場合は、主たる手術の所定点数に含まれ別に算定できない。
(2) 気管切開術後カニューレを入れた数日間の処置(単なるカニューレの清拭ではないものに限る。)は、区分番号I009−2に掲げる創傷処置の「1 100平方センチメートル未満」により算定する。
(3) この際用いた気管切開後のテフロンチューブ等については医科点数表の例により算定する。

J107 気管切開孔閉鎖術
手術に伴い行われた気管切開又は救急的な気道確保のため行われた気管切開による切開孔を、当該気管切開を行った日とは別の日に閉鎖した場合に算定する。

J108 顔面神経麻痺形成手術
耳下腺悪性腫瘍摘出後の顔面神経麻痺に対して動的形成手術又は静的形成手術を行った場合に算定する。

J200-3 周辺装置加算
(注の見直し)
注 著しく歯科診療が困難な障害者(区分番号C000に掲げる歯科訪問診療料の注9の加算を算定する患者を除く。)に対して歯科訪問診療を行った場合において、切削を伴う処置、手術、歯冠修復又は欠損補綴が必要な場合であって切削器具及びその周辺装置を訪問先に携行して必要な処置等を行った場合には、処置等のうち主たるものの所定点数に加算する。ただし、1又は2のいずれかを加算する。

(1) 周辺装置加算は、著しく歯科診療が困難な障害者に対して訪問診療を行った場合において、切削を伴う処置、手術、歯冠修復又は欠損補綴が必要な場合であって、切削器具及びその周辺装置を訪問先に携行して必要な処置を行った場合に、処置等の主たるものの所定点数に加算する。なお、同時にエアタービン及び歯科用電気エンジンを使用した場合は、いずれかの加算を算定する。ただし、区分番号C000に掲げる歯科訪問診療
料を算定した場合は、算定できない。
(2) 歯科訪問診療料を算定していた患者に対する歯科訪問診療について、歯科訪問診療料を算定しない場合であって、本区分に掲げる周辺装置加算の「1又は2」に該当する切削器具及びその周辺装置を携行し、処置等を行った場合は、本区分により算定する。

J200-5 画像等手術支援加算(新設)
1 ナビゲーションによるもの2,000点
2 実物大臓器立体モデルによるもの2,000点
注1 1については、区分番号J086、J087及びJ087-2に掲げる手術に当たって、ナビゲーションによる支援を行った場合に算定する。
 2 2については、区分番号J019-2、J038からJ040まで、J042、J043、J069、J070-2、J075及びJ076に掲げる手術に当たって、実物大臓器立体モデルによる支援を行った場合に算定する。

(1) 画像等手術支援加算は、当該技術の補助により手術が行われた場合に算定するものであり、当該技術が用いられた場合であっても、手術が行われなかった場合は算定できない。
(2) ナビゲーションによる支援とは,手術前又は手術中に得た画像を手術の一過程において、手術を補助する目的で用いることをいう。
(3) 実物大臓器立体モデルによる支援とは、手術前又は手術中に得た画像等により作成された実物大臓器立体モデルを、手術を補助する目的で用いることをいう。

J201 薬剤
手術後の薬剤病巣撤布については、次の手術後に実施されたとき、その薬剤料を第9部手術第4節により併せて算定できる。
(1) 口腔領域の悪性腫瘍手術及びこれらに準ずる手術
(2) 顎骨及び顎関節の形成術
(3) 腐骨除去手術で広範囲のもの
(4) 口腔領域の複雑骨折に対する観血的整復手術及びこれらに準ずるような開放性外傷に対する手術

J300 特定薬剤
(1) 1回の手術に特定薬剤を2種以上使用した場合であっても、使用した特定薬剤の合計価格から40円を控除した残りの額を10円で除して得た点数について1点未満の端数を切り上げて特定薬剤料を算定する。
(2) 特定薬剤を使用した場合であっても、1回の手術に使用した特定薬剤の合計価格が40円以下の場合は、特定薬剤料は算定できない。
(3) (1)でいう1回の手術とは、手術の部に掲げられている各区分の所定点数を算定する単位を1回とする。
(4) 特定薬剤における生理食塩水及びアクリノールは、当該手術を行うに当たり入院を必要とする手術を行った際に、当該手術に使用される特定薬剤の総量価格が40円を超える場合に限り、当該手術の所定点数の他、その費用を算定する。
(5) その他については、区分番号I100に掲げる特定薬剤の(4)から(8)の例により算定する。

J400 特定保険医療材料
当該手術の実施のために使用される特定保険医療材料については、材料価格を10円で除して得られた点数により算定する。

■ 麻酔料

K001 浸潤麻酔、圧迫麻酔
(1) 第9部手術、所定点数が120点以上の処置、特に規定する処置、区分番号M001に掲げる歯冠形成の所定点数には、浸潤麻酔の費用が含まれ別に算定できない。
(2) 齲蝕症又は象牙質知覚過敏症等の歯に対する所定点数が120点未満の処置に浸潤麻酔を行った場合の費用は、術野又は病巣を単位として所定点数により算定する。

K002 吸入鎮静法
(1) 吸入鎮静法は、笑気等を用いてゲーデルの分類の麻酔深度の第1期において歯科手術等を行う場合に算定する。
(2) 吸入鎮静法において使用した麻酔薬剤(亜酸化窒素等)に係る費用の算定については別に定める「酸素及び窒素の価格」(平成2年厚生省告示第41号)に基づき算定する。
(3) 酸素又は窒素の価格は、区分番号I025に掲げる酸素吸入及び医科点数表の区分番号L008に掲げるマスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔の(6)のアの例により算定する。

K003 静脈内鎮静法 120点
注 区分番号K002に掲げる吸入鎮静法は、別に算定できない。
通則
1 「通則2」、「通則3」及び「通則4」の規定は、第1節の所定点数(ただし、酸素及び窒素を使用した場合の加算を除く。)のみに適用されるものであり、第2節薬剤料に対しては適用されない。
2 「通則2」における著しく歯科診療が困難な障害者の100分の50加算は、治療を直接行う歯科医師に加え、患者の障害に起因した行動障害に対し開口の保持又は体位、姿勢の保持を行うことを目的として、当該治療に歯科医師、歯科衛生士、看護師等が参画した場合等に限り算定する。
3 「通則2」における加算において5歳未満の乳幼児が著しく歯科診療が困難な障害者である場合の100分の50加算は、乳幼児加算のみを算定する。
4 「通則4」における加算は、時間外加算等の適用される処置及び手術に伴って行われた麻酔に対して、第9部手術の時間外加算等と同様の取扱いで算定されるもので、当該処置及び手術の所定点数が150点に満たない場合の加算は認められない。
5 「通則4」における時間外加算等の取扱いは、初診料における場合と同様である。
6 麻酔の休日加算、時間外加算及び深夜加算は、これらの加算が算定できる緊急手術に伴い行われた麻酔についてのみ算定できる。
7 その他の麻酔法の選択について、従前から具体的な規定のないものについても、保険診療の原則に従い必要に応じ妥当適切な方法を選ぶべきものである。
8 第10部に規定する麻酔料以外の麻酔料の算定は医科点数表の例により算定する。

(1) 静脈内鎮静法は、歯科治療に対して非協力的な小児患者、歯科治療恐怖症の患者、歯科治療時に配慮すべき医科的全身疾患を有する患者等を対象として、薬剤を静脈内投与することにより鎮静状態を得る方法であり、歯科手術等を行う場合に算定する。
(2) 静脈内鎮静法を実施するに当たっては、術前、術中及び術後の管理を十分に行うこと。
(3) 静脈内鎮静法を算定した場合は、区分番号K002に掲げる吸入鎮静法に係る費用は別に算定できない。
(4) 静脈内鎮静法において用いた薬剤に係る費用については、別途算定できる。

K100 薬剤
1回の麻酔に麻酔薬剤を2種以上使用した場合であっても使用麻酔薬剤の合計薬価から40円を控除した残りの額を10円で除して得た点数につき1点未満の端数を切り上げて麻酔薬剤料を算定する。

★ 続く

統計表示